こんにちは、そらいろ代表の坂本龍生(さか兄)(@ryusho_sakamoto)です!
健康戦略家、ダイエットコーチの九条圭さんの
「明日からときめくダイエット心理学」にある研究論文をまとめました。
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明日からときめくダイエット心理学もまとめました!
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この記事でわかること
1章 ダイエット賢者の世界へ
アメリカの 国立衛生研究所の研究1
- 調査:マウスを太らせた
- 結果:太ったマウスは、4週間後には徐々に動きが鈍くなり、やがて動き回らなくなった
- ドーパミンの効きが悪くなるために、モチベーションが下がってしまう
- 1) Friend, D. M., Devarakonda, K., O’ Neal, T. J., Skirzewski, M., Papazoglou, I., Kaplan, A. R., … & Alvarez, V. A. (2017). Basal ganglia dysfunction contributes to physical inactivity in obesity. Cell metabolism, 25( 2), 312-321.
アメリカのアリゾナ大学の研究2
- 調査:イギリスに住む21500人の15年分の健康データを分析した
- 結果:体重を落とすことで、全身の炎症レベルが改善し、脳の動きも改善・向上することがわかった
- 2) Bourassa, K., & Sbarra, D. A. (2017). Body mass and cognitive decline are indirectly associated via inflammation among aging adults. Brain, Behavior, and Immunity, 60, 63-70.
フランスのモンペリエ大学の研究3
- 調査:24~102歳までの1万人分の健康データを統計処理した
- 結果:「実年齢より自分は若い」と考えている人は、病院に通う確率が10~25%も下がっていた
- 3) Stephan, Y., Sutin, A. R., & Terracciano, A. (2016). Feeling older and risk of hospitalization: Evidence from three longitudinal cohorts. Health Psychology, 35( 6), 634.
ロンドン大学の研究4
- 結果①「自分は若い」と考えている人は、そうじゃない人に比べて41%も死亡率が低くて、寿命が伸びることが明らかになった
- 結果②「実年齢より若い」と考えてる人は、自分のケアを怠らない傾向があり、それによって健康的な食生活を実践しやすくなった
- 結果③「実年齢より若い」と考えてる人は、若い友人と付き合う確率が高く、活動的な遊びをする傾向が会った
- 4) Rippon, I., & Steptoe, A. (2015). Feeling old vs being old: Associations between self-perceived age and mortality. JAMA internal Medicine, 175( 2), 307-309.
ハーバード大学の研究5
- 調査:髪型や髪色を若くした
- 結果:メンタルがリラックス状態になりやすく、血圧も下がった
- 5) Hsu, L. M., Chung, J., & Langer, E. J. (2010). The influence of age-related cues on health and longevity. Perspectives on Psychological Science, 5( 6), 632-648.
ロンドン大学の研究6
- 調査:太り気味な1979人の成人を4年間追跡調査
- 結果:体重が前よりも減った人は、他の人より、289%も気分が落ち込み、うつ状態になる確率が高かった
- 6) Jackson, S. E., Steptoe, A., Beeken, R. J., Kivimaki, M., & Wardle, J. (2014). Psychological changes following weight loss in overweight and obese adults: a prospective cohort study. PLoS One, 9( 8), e 104552.
アメリカのベイラー大学の研究7
- 調査:男女542人に痩せるために食べる食事と控える食事を自分でリストアップしたもらった
- 結果①自制心が強い人は、健康的であっても好みでないものは食べず、不健康であっても好物ならば食べることを選んでいた
- 結果②自制心が弱い人は、好みじゃなくても健康的なら食べ、好物でも不健康なら食べないことを選んでいた
- 7) David, M. E., & Haws, K. L. (2016). Saying “No” to cake or “Yes” to kale: Approach and avoidance strategies in pursuit of health goals. Psychology & Marketing, 33( 8), 588-594.
バーイラン大学の研究8
- 調査1:635人の学生に自制心の欲しさを聞いてから自制心が必要な課題に取り組んでもらった
- 結果1:自制心を欲しがった人ほど、実際の自制心がなかった
- 調査2:自制心を欲しがるように促す
- 結果2:自制心を欲しがるようになった人は、自制心が下がった
- 8) Uziel, L., & Baumeister, R. F. (2017). The self-control irony: Desire for self-control limits exertion of self-control in demanding settings. Personality and Social Psychology Bulletin, 43( 5), 693-705.
アメリカのシカゴ大学の研究9
- 結果:自分の目標を達成するのが上手い人たちは、単純に我慢をするのではなく、目標達成につながる小さなことを幸せに思う
- 9) Woolley, K., & Fishbach, A. (2017). Immediate rewards predict adherence to long-term goals. Personality and Social Psychology Bulletin, 43( 2), 151-162.
マシュマロと子供の研究
- 我慢できた子どもたちは、歌を歌ったり、独自の遊びをしながらマシュマロの誘惑から自分を遠ざけることで誘惑に打ち勝つことができた
- 我慢できなかった子どもたちは、我慢や根性で自分を抑えようとしていた
- W. Mischel(1958). Preference for delayed reinforcement: An experimental study of a cultural observation. The Journal of Abnormal and Social Psychology, 56, 57-61
- Mischel, Walter; Ebbesen, Ebbe B.; Raskoff Zeiss, Antonette (1972). “Cognitive and attentional mechanisms in delay of gratification.”. Journal of Personality and Social Psychology 21 (2): 204–218.
- Marshmallow Test Points to Biological Basis for Delayed Gratification
- Camber, Rebecca (2008)Marshmallow test – how resisting a sweet can lead to a better life
- Watts, Tyler, W.; Duncan, Greg, J.; Quan, Haonan (May 25, 2018). “Revisiting the Marshmallow Test: A Conceptual Replication Investigating Links Between Early Delay of Gratification and Later Outcomes”. Psychological Science (SAGE Publications) 29 (7): 1159-1177.
マラガ大学の研究10
- 結果:不安やストレスはやる気アップに良いと、自己暗示すると、やる気が向上した
- 10) Strack, J., Lopes, P., Esteves, F., & Fernandez-Berrocal, P. (2017). Must We Suffer to Succeed?. Journal of Individual Differences.
アメリカのテキサス大学の研究11
- 調査:「脳の仕組みを学び、変えられる!」と感じる
- 結果:ストレスホルモンが18%も減り、ストレス対処が上手くなっていた
- 11) Yeager, D. S., Lee, H. Y., & Jamieson, J. P. (2016). How to improve adolescent stress responses: Insights from integrating implicit theories of personality and biopsychosocial models. Psychological science, 27( 8), 1078-1091.
ハーバード大学の研究12
- 調査:自分は変えられるということを学ぶ
- 結果:鬱スコアが33%減少し、効果が9ヶ月間も持続した
- 12) Schleider, J., & Weisz, J. (2018). A single‐session growth mindset intervention for adolescent anxiety and depression: 9‐month outcomes of a randomized trial. Journal of Child Psychology and Psychiatry, 59( 2), 160-170.
ドイツのドレスデン工科大学の研究13
- 調査:2700人のヨーロッパとアメリカ人を対象に、性格や考え方、収入、教育レベルなどを調べた後、意志力についてテストを行った
- 結果①意志力には限界があると考えていた人たちは、本当に意志力が落ちていき、それを回復させるのに十分な休息が必要だった
- 結果②意志力には限界がないと考えていた人たちには、逆にエネルギーが向上して、難しいタスクをこなすほどエネルギッシュになった
- 13) Napolitano, C. M., & Job, V. (2018). Assessing the Implicit Theory of Willpower for Strenuous Mental Activities Scale: Multigroup, across-gender, and cross-cultural measurement invariance and convergent and divergent validity. Psychological assessment, 30( 8), 1049.
アメリカのミシガン大学の研究14
- 結果:「自分の中に眠っている情熱や好きなことを見つけよう!」と考える人たちよりも、「なにかにトライしていくうちに情熱が育ち、好きなことになる」と考える人たちのほうが、自分にとって興味がなかった内容でも、モチベーションが湧きやすく、難しいタスクでもやり遂げることができた
- つまり、ダイエットで健康的で制限された生活を前向きに捉えるかどうかは、自分次第ということがわかった
- 14) Chen, P., Ellsworth, P. C., & Schwarz, N. (2015). Finding a fit or developing it: Implicit theories about achieving passion for work. Personality and Social Psychology Bulletin, 41( 10), 1411-1424.
アメリカのトロント大学15
- 誘惑が多い環境と、少ない環境では、少ない環境のほうが、圧倒的に目標達成率が高くなる
- 15) Milyavskaya, M., & Inzlicht, M. (2017). What’ s so great about self-control? Examining the importance of effortful self-control and temptation in predicting real-life depletion and goal attainment. Social Psychological and Personality Science, 8( 6), 603-611.
2章 食事編
アメリカのカーネギーメロン大学の研究16
- 調査:200人のチョコレート大好きな人を集めて、頭の中で30回食べるグループと頭の中で3回食べるグループの2つに分けて、その後好きなだけチョコレートを食べてもらった
- 結果:チョコレート頭の中で30回食べた人たちの方が、実際にチョコレートを食べた量は37%も少なかった
- 16) Morewedge, C. K., Huh, Y. E., & Vosgerau, J. (2010). Thought for food: Imagined consumption reduces actual consumption. Science, 330( 6010), 1530-1533.
ニュージーランドのカンタベリー大学の研究17
- 調査:ダイエットしたい被験者たちを集めて、不健康な甘いものに罪悪感などのネガティブなイメージを抱くと、お祝いなどのポジティブなイメージを抱く人のグループに分けた
- 結果1:ポジティブなイメージを抱く人たちは、そうでない人たちに比べて、ダイエットに成功した
- 結果2:ネガティブなイメージを抱く人たちは、18ヶ月、体重を維持することに成功しなかった
- 17) Kuijer, R. G., & Boyce, J. A. (2014). Chocolate cake. Guilt or celebration? Associations with healthy eating attitudes, perceived behavioural control, intentions and weight-loss. Appetite, 74, 48-54.
アメリカのブリガムヤング大学の研究18
- 調査1:ポテトチップスやチョコレートなどの写真を見てもらっ後、それぞれが見た写真の食べものを食べてもらった
- 結果2:味わった喜びのレベルが下がり、食べた量が減った
- 結果2:自分が食べるものと似たような食べものの写真をみても食欲が自然と減退し、摂取カロリーが抑えられた
- 18) Larson, J. S., Redden, J. P., & Elder, R. S. (2014). Satiation from sensory simulation: Evaluating foods decreases enjoyment of similar foods. Journal of Consumer Psychology, 24( 2), 188-194.
2015年のアメリカのコロラド大学の研究19
- 調査:4秒間高カロリーな食品の写真を表示した後、0.02秒だけゴキブリの写真(ほぼ認識できない時間)、さらに0.02秒だけ嘔吐の写真を表示させる
- 結果:高カロリーな食品への興味がすっかり失せ、3-5日間効果が持続し、さらに高カロリーな食べものへの興味が下がっていた
- 心理学で言うリンキング
- 人間は、何かと何かを無意識のうちに頭の名で間れづけてしまう
- 19) Legget, K. T., Cornier, M. A., Rojas, D. C., Lawful, B., & Tregellas, J. R. (2015). Harnessing the power of disgust: a randomized trial to reduce high-calorie food appeal through implicit priming. The American journal of clinical nutrition, 102( 2), 249-255.
2015年アメリカのセントラルフロリダ州立大学20
- 調査:鏡を置き、常に自分の顔が見える状態で食事をした
- 結果①自ら健康的な食事を選び、食事カロリーが減った
- 結果②鏡のある状態では、不健康なチョコレートケーキと健康的なフルーツサンドだと、チョコレートケーキに低評価がついた
- 20) Jami, A. (2016). Healthy reflections: The influence of mirror-induced self-awareness on taste perceptions. Journal of the Association for Consumer Research, 1( 1), 57-70.
オランダのユトレヒト大学の研究21
- 調査:111人を、空腹な自分をイメージさせるグループと、満腹な自分をイメージさせるグループに分けた
- 結果:満腹な自分をイメージしたグループは、少ない量を選んだ
- 21) Steinmetz, J., Tausen, B. M., & Risen, J. L. (2018). Mental simulation of visceral states affects preferences and behavior. Personality and Social Psychology Bulletin, 44( 3), 406-417.
アメリカのイエール大学の研究22
- 調査:同じシェイクを140kcalと書いたグループと、600kcalと書いたグループに分けた
- 結果:600kcalと書いたグループが、食欲ホルモンのグレリンの分泌が3分の1になった
- 22) Crum, A. J., Corbin, W. R., Brownell, K. D., & Salovey, P. (2011). Mind over milkshakes: mindsets, not just nutrients, determine ghrelin response. Health Psychology, 30( 4), 424.
テキサス大学の研究23
- 調査:5000人の健康データを分析した
- 結果①バラエティー豊かな食事をしても、ウエストサイズや糖尿病の改善率は低くならない
- 結果②バラエティー豊かな食事をすると、シンプルな食事をしている人に比べて、ウエストサイズが120%も大きかった
- 23) de Oliveira Otto, M. C., Padhye, N. S., Bertoni, A. G., Jacobs Jr, D. R., & Mozaffarian, D. (2015). Everything in moderation-dietary diversity and quality, central obesity and risk of diabetes. PLoS One, 10( 10), e 0141341.
バッファロー大学の研究24
- 結果:多様性がある食事なるほど、体重と体脂肪が明確に増える傾向がわかった
- 24) Raynor, H. A., & Epstein, L. H. (2001). Dietary variety, energy regulation, and obesity. Psychological bulletin, 127( 3), 325.
オックスフォード大学の研究25
- 結果:バラエティー豊かな食事は食欲を増進させてしまい、体重と体脂肪が増加していた
- 25) Rolls, B. J., Van Duijvenvoorde, P. M., & Rowe, E. A. (1983). Variety in the diet enhances intake in a meal and contributes to the development of obesity in the rat. Physiology & Behavior, 31( 1), 21-27.
心理作用のシロクマのリバウンド効果
- 作用:シロクマを考えるなという
- 結果:余計シロクマのことを考えるようになってしまう
- ハーバード大学の研究26
- 対策:一旦思考を棚上げし、引き伸ばしてしまうこと
- 26) Wegner, D. M. (2011). Setting free the bears: escape from thought suppression. American Psychologist, 66( 8), 671.
心理作用の逆説的介入
- すること:ネガティブになる日の具体的な予定を立てる
- 結果:自己コントロール力が向上し、それをするやる気が自然と失われる(引き伸ばすと萎える性質)
心理作用のマインドフルネス
- 効果:1つのことに集中すると、ネガティブなことに対処できる
ペンシルベニア州立大学の研究29
- 調査:ほかのことに意識を散らさずに歩くことに集中した
- 結果:一気に気分が改善し、ストレスや不安、うつ傾向が減少した
- 歩行瞑想:歩行中に、足が着地する、足を上げるくらいのレベルで意識する
- 29) Yang, C. H., & Conroy, D. E. (2018). Momentary negative affect is lower during mindful movement than while sitting: An experience sampling study. Psychology of sport and exercise, 37, 109-116.
ハーバード大学の心理学者ショーン・エイカーが提唱する心理テクニック「20秒ルール」
- 身につけたい習慣は手間を20秒減らし、逆に手放したい習慣は手間を20秒増やすといいという心理テクニック
3章 運動
ドイツのベルリン自由大学の研究30
- 調査:335人を15年間、運動習慣について分析した
- 結果①ダイエットや健康目的の運動ほど、エクササイズを途中で止めてしまう傾向があることがわかった
- 結果②目先の恩恵やメリットのためのエクササイズほど、継続率が高かった
- 目先の恩恵①運動後の気分の改善
- 目先の恩恵②ストレスの解消
- 目先の恩恵③運動仲間との楽しいコミュニケーション
- 目先の恩恵④運動による高揚感
- 30) Gellert, P., Ziegelmann, J. P., & Schwarzer, R. (2012). Affective and health-related outcome expectancies for physical activity in older adults. Psychology & Health, 27( 7), 816-828.
2017年ドイツのフライブルク大学の研究31
- 調査:76人を、運動で得られる実質的なメリットを知ってもらってエアロバイクをこいだグループと、知らないグループに分けた
- 結果①メリットを知ってもらったグループは、運動後の不安感が減って、ポジティブな気分や高揚感が高まっていた
- 結果②α2波(没頭やリラックスして気分がいいときに出てくる)が激しく増加していた
- 31) Mothes, H., Leukel, C., Jo, H. G., Seelig, H., Schmidt, S., & Fuchs, R. (2017). Expectations affect psychological and neurophysiological benefits even after a single bout of exercise. Journal of Behavioral Medicine, 40( 2), 293-306.
スタンフォード大学の研究32
- 調査:米国疾病予防管理センターの21年間にわたって得た、61141人のデータを分析
- 結果:運動量や他の要因と関係なく、活動が少ないと答えた人は、一般的な水準と比べ、死亡リスクが18%高くなり、活動が多いと答えた人たちと比べてみると、死亡リスクが71%も高くなった
- 32) Zahrt, O. H., & Crum, A. J. (2017). Perceived physical activity and mortality: Evidence from three nationally representative US samples. Health Psychology, 36( 11), 1017.
スタンフォード大学33
- 調査:ホテル清掃の仕事をしている84人を、活動量が多いと伝えたグループと、そうでないグループに分けた
- 結果:活動が多いと伝えたグループは4週間後には、そうでないグループと比べ、体重、血圧、ウエスト、体脂肪の量が減っていた
- 33) Crum, A. J., & Langer, E. J. (2007). Mind-set matters: Exercise and the placebo effect. Psychological Science, 18( 2), 165-171.
オハイオ州立大学の研究34
- 自分のことを、彼・彼女・〇〇さんなどと三人称を使いながら、他人のように語りかける自己対話法は、ストレスや脳の認知機能の負担が軽減し、意志力が向上して、自分の感情のコントロールが上手になる
- 34) Moser, J. S., Dougherty, A., Mattson, W. I., Katz, B., Moran, T. P., Guevarra, D., … & Kross, E. (2017). Third-person self-talk facilitates emotion regulation without engaging cognitive control: Converging evidence from ERP and fMRI. Scientific Reports, 7( 1), 1-9.
ニューヨーク州立大学の研究35
- 調査:手洗いをしてもらうべく、感染症を謳ったネガティブな警告と、手を洗うたびに「Good job!」とポジティブな称賛を行った
- 結果:ポジティブに称賛した方が、4週間で90%も増加した
- 35) Armellino, D., Hussain, E., Schilling, M. E., Senicola, W., Eichorn, A., Dlugacz, Y., & Farber, B. F. (2012). Using high-technology to enforce low-technology safety measures: the use of third-party remote video auditing and real-time feedback in healthcare. Clinical infectious diseases, 54( 1), 1-7.
ペンシルベニア大学の研究36
- 調査:226人を3つのグループに分けて、運動の継続率を測った。
- グループ①商品券(報酬)を与えて、ジムに行くように指示する
- グループ②運動するときだけ、好きなオーディオブックを聞くように指示する(誘導バンドリング)
- グループ③運動するときだけ、好きなオーディオブックが聞ける環境を与える(誘導バンドリング+縛り)
- 結果:グループ①と比べ、グループ②は22%多く運動をするようになり、グループ③は51%も多く運動をするようになった。
- 習慣にしたい行動をしているときだけ、自分が好きなものを利用できる環境を作ると、さらに29%も運動習慣が増える。
- 36) Milkman, K. L., Minson, J. A., & Volpp, K. G. (2014). Holding the Hunger Games hostage at the gym: An evaluation of temptation bundling. Management science, 60( 2), 283-299.
イリノイ大学の研究37
- 結果:普通に自分を励ますよりも、二人称口調で、「あなたならできる!」と自分を励ますほうが、難しいタスクや嫌なことをやるモチベーションが格段に高まった
- 37) Dolcos, S., & Albarracin, D. (2014). The inner speech of behavioral regulation: Intentions and task performance strengthen when you talk to yourself as a You. European Journal of Social Psychology, 44( 6), 636-642.
アメリカのスキッドモア大学の社会心理学者シェルド・ソロモン教授が提唱する「脅威管理理論」
- 死を感じたり、意識したりすると、人間の行動は変わるという現象
2016年アメリカのアリゾナ大学の研究38
- 調査:バスケットボール選手を2グループに分けて、1つのグループには自分の死について考えさせてから試合をしてもらった
- 結果:死を考えたグループは、パフォーマンスが普段よりも40%も向上した
- ドクロマークや死の文字でもパフォーマンスは向上する
- 38) Zestcott, C. A., Lifshin, U., Helm, P., & Greenberg, J. (2016). He dies, he scores: Evidence that reminders of death motivate improved performance in basketball. Journal of Sport and Exercise Psychology, 38( 5), 470-480.
2017年イギリスのキール大学の研究39
- 調査:エアロバイクを漕ぐグループを2つに分けた。
- グループ①単に全力でエアロバイクを漕ぐ
- グループ②はっきりと罵倒しながらエアロバイクを漕ぐ
- 結果:罵倒の言葉を言ったグループは、自分が限界と感じたレベルから、さらに5%も筋力がアップした
- 39) Stephens, R., Spierer, D. K., & Katehis, E. (2018). Effect of swearing on strength and power performance. Psychology of Sport and Exercise, 35, 111-117.
2016年にアメリカのジョンズ・ホプキンス大学の研究40
- 調査:同じ内容のトレーニングを繰り返すグループと毎回少し内容を変えながらトレーニングするグループに分けて、作業性を測った
- 結果:毎回少し内容を変えながらトレーニングするグループのスピードと正確性が2倍も上がり、トレーニング効率が上がった
- 40) Wymbs, N. F., Bastian, A. J., & Celnik, P. A. (2016). Motor skills are strengthened through reconsolidation. Current Biology, 26( 3), 338-343.
- PLR法と組み合わせると、さらに相乗効果が得られる
中国の首都体育学院の研究41
- 調査:普通に筋トレをするグループと、「自分は今最大の力を発揮している」とイメージを持ちながらする筋トレをするグループに分け、6週間調べた
- 結果:イメージをして筋トレをしたグループが、筋トレの成果が20%も向上した
- 41) Jiang, C. H., Ranganathan, V. K., Siemionow, V., & Yue, G. H. (2017). The level of effort, rather than muscle exercise intensity determines strength gain following a six-week training. Life Sciences, 178, 30-34.
スロベニアのプリモルスカ大学の研究42
- 調査:717件もの研究をすべて精査した
- 結果:イメージトレーニングを組み合わせると、筋トレに間違いなく効果があるとわかった
- 42) Paravlic, A. H., Slimani, M., Tod, D., Marusic, U., Milanovic, Z., & Pisot, R. (2018). Effects and dose– response relationships of motor imagery practice on strength development in healthy adult populations: a systematic review and meta-analysis. Sports Medicine, 48( 5), 1165-1187.
イギリスのアベリストウィス大学の研究43
- 調査:運動前にベストな結果をイメージさせたグループと、体を叩いたり刺激を与えるグループに分けた
- 結果:30mの短距離ダッシュでも運動前にイメージさせたグループが、87%の人たちがタイムが縮まり、パフォーマンスが向上した
- 43) Hammoudi-Nassib, S., Nassib, S., Chtara, M., Briki, W., Chaouachi, A., Tod, D., & Chamari, K. (2017). Effects of psyching-up on sprint performance. The Journal of Strength & Conditioning Research, 31( 8), 2066-2074.
イメージトレーニングと筋肉の研究44
- 調査:何も活動しないで筋肉を意図的に衰えさせるグループと、同じ条件だがイメージトレーニングをするグループに分けた
- 結果:何もしなかったグループは45%も筋肉が衰えたが、イメージトレーニングをしたグループは、24%しか筋肉が衰えなかった。
- 44) Clark, B. C., Mahato, N. K., Nakazawa, M., Law, T. D., & Thomas, J. S. (2014). The power of the mind: the cortex as a critical determinant of muscle strength/ weakness. Journal of neurophysiology, 112( 12), 3219-3226.
ギリシアのテッサリア大学の研究45
- 調査:自分と会話するセルフトークに関する信憑性の高い32件の研究を精査した
- モチベーションセルフトーク→ 「いける!私なら大丈夫!」とやる気がでる言葉を語りかける手法
- インストラクショナルセルフトーク → 「体はまっすぐ!肘の角度を90度!」など自分の体に具体的な指示を語りかける手法
- 結果:インストラクショナルセルフトーク(具体的な指示)の方がパフォーマンスが上がり、集中力が向上して、注意が乱れることが抑えられ、プレッシャーにも強くなった
- 45) Hatzigeorgiadis, A., Zourbanos, N., Galanis, E., & Theodorakis, Y. (2011). Self-talk and sports performance: A meta-analysis. Perspectives on Psychological Science, 6( 4), 348-356.
4章 生活習慣
ドイツのマックスブランク研究所の研究46
- 調査:ダイエットをしている女性390人を、2つのグループに分けて調べた
- グループ①シンプルな内容を守るだけの単純グループ
- グループ②1日の食事内容の記録やカロリー計算など、細かな作業やルールが多い複雑グループ
- 結果:グループ①が挫折せずに続ける期間が圧倒的に長かった
- 46) Mata, J., Todd, P. M., & Lippke, S. (2010). When weight management lasts. Lower perceived rule complexity increases adherence. Appetite, 54( 1), 37-43.
アメリカの国立衛生研究所の研究47
- 調査:13年にも渡って、男女500人を調べた
- 結果:1日の睡眠時間が7時間以下の人は、8倍ほど太りやすくなる
- 47) Colten, H. R., & Altevogt, B. M. (2006). Extent and health consequences of chronic sleep loss and sleep disorders. Sleep disorders and sleep deprivation: an unmet public health problem, 55-135.
ロンドン大学の研究48
- 結果:睡眠時間が6時間を下回る人は、食欲が激増し、平均で1日385kcalも余分に食べてしまう
- 48) Al Khatib, H. K., Harding, S. V., Darzi, J., & Pot, G. K. (2017). The effects of partial sleep deprivation on energy balance: a systematic review and meta-analysis. European journal of clinical nutrition, 71( 5), 614-624.
ドイツのドレスデン工科大学の研究49
- 調査:173人の大学生を対象に意志力について調べた
- 結果:意志力は無限と考えている人に比べて、意志力には限界があると考えている人ほど、40-50分ダラダラと過ごす傾向が会った
- 49) Bernecker, K., & Job, V. (2020). Too exhausted to go to bed: Implicit theories about willpower and stress predict bedtime procrastination. British Journal of Psychology, 111( 1), 126-147.
アメリカのデューク大学の研究50
- 調査:90人を対象にマインドフルネスの効果を調べた
- 結果:マインドフルネスによって、ストレスが減少し、睡眠も改善してよく寝られるようになった
- 50) Greeson, J. M., Juberg, M. K., Maytan, M., James, K., & Rogers, H. (2014). A randomized controlled trial of Koru: A mindfulness program for college students and other emerging adults. Journal of American College Health, 62( 4), 222-233.
ハーバード大学の研究51
- 結果:長期的にマインドフルネスを行っていくと、平均で体重が3kg落ちることがわかった
- さらに、4ヶ月後でも平均3.4kgの状態を維持できていた
- 51) Carrière, K., Khoury, B., Günak, M. M., & Knäuper, B. (2018). Mindfulness‐based interventions for weight loss: a systematic review and meta‐analysis. Obesity Reviews, 19( 2), 164-177.
アメリカのベイラー大学の研究52
- 結果:寝る前に明日のTodoリストを作るだけで、睡眠薬と同レベルの効果が得られることがわかった
- 52) Scullin, M. K., Krueger, M. L., Ballard, H. K., Pruett, N., & Bliwise, D. L. (2018). The effects of bedtime writing on difficulty falling asleep: A polysomnographic study comparing to-do lists and completed activity lists. Journal of Experimental Psychology: General, 147( 1), 139.
アメリカのブラウン大学の研究53
- 結果:通勤時間が1分増えるごとに、運動時間が約1.5秒、睡眠時間が約13分ずつ減っていく
- 日本人の平均通勤・通学時間は1時間19分なので、1日あたり運動時間は約2分、睡眠時間は約17分は失われていることになる。
- 年間で換算すると、1年で運動時間は約8時間、睡眠時間が約71時間も失われている。
- 54) 47 都道府県 ランキング( 2016). Retrieved July 12, 2018 from http:// www. stat. go. jp/ data/ shakai/ 2016/ rank/ index. html
- 53) Christian, T. J. (2009). Opportunity costs surrounding exercise and dietary behaviors: Quantifying trade-offs between commuting time and health-related activities. Available at SSRN 1490117.
スペインのマドリード工科大学55
- 調査:太り気味の男女96人を摂取カロリーを同じにして、2つのグループに分けた
- グループ①週3回ハードな運動をする
- グループ②早歩きや階段を使って1日30~60分ほどの軽い運動をするグループ
- 結果:22週間後、どちらのグループの人たちもダイエットの成果は変わらなかった
- 55) Benito, P. J., Bermejo, L. M., Peinado, A. B., López-Plaza, B., Cupeiro, R., Szendrei, B., … & Gómez-Candela, C. (2015). Change in weight and body composition in obese subjects following a hypocaloric diet plus different training programs or physical activity recommendations. Journal of Applied Physiology, 118( 8), 1006-1013.
ロンドン大学の研究56
- 調査:通勤している男女156,666人を調べた
- 結果:通勤時の活動量が多くなるほど、体重・体脂肪率が明確に低くなる
- 56) Flint, E., & Cummins, S. (2016). Active commuting and obesity in mid-life: cross-sectional, observational evidence from UK Biobank. The lancet Diabetes & endocrinology, 4( 5), 420-435.
ロンドン大学の研究56
- 結果①「自転車のみ」か「歩きと自転車の併用」の人たちが最も体重と体脂肪率が少なかった
- 結果②「車のみ」の人達に比べて、「自転車」の人たちは、BMI(体格指数)が、女性は1.65、男性は1.71も有意に低い傾向があった
- 結果③「車のみ」の人たちに比べて、「自転車」を使った人たちは、体脂肪率が、女性は3.26%、男性は2.75%も有意に低い傾向があった
- つまり、できるだけ自転車を使うことで、痩せやすくなることがわかった
- 56) Flint, E., & Cummins, S. (2016). Active commuting and obesity in mid-life: cross-sectional, observational evidence from UK Biobank. The lancet Diabetes & endocrinology, 4( 5), 420-435.
カナダのコンコルディア大学の研究57
- 調査:123人の健康レベルと移動手段を調べた
- 結果:自転車を使っていた人たちのストレスレベルがもっとも抑えられていた
- 57) Brutus, S., Javadian, R., & Panaccio, A. J. (2017). Cycling, car, or public transit: a study of stress and mood upon arrival at work. International journal of workplace health management.
ハーバード大学の研究58
- 結果:自己コントロール力が低い人は、通勤ダメージを受けやすく、逆に自己コントロール力が高い人は、通勤ダメージが少ない
- 自己コントロールが低くても、通勤時に仕事の準備や目標に向けた行動をすれば、疲れや感情のすり減りが抑えられ、仕事の満足感が上がる
- 58) Jachimowicz, J., Lee, J., Staats, B. R., Menges, J., & Gino, F. (2019). Between home and work: commuting as an opportunity for role transitions. Harvard Business School NOM Unit Working Paper, (16-077), 16-7.
別の研究59
- 結果:移動中にぼーっと音楽を聴くなど受動的な行動をするよりも、誰かと話したり、準備や計画をするなど、アクティブな活動をすることで、通勤ダメージを減らせることがわかった
- 59) Gino, F., Staats, B., Jachimowicz, J. M., Lee, J. J., & Menges, J. I. (2017). Reclaim your commute.
アメリカのノースイースタン大学の研究60
- 結果:早く起きて旭を浴びるほど、肥満度は低くなり、遅く起きて日光を浴びる時間が短くなるほど、肥満になりやすい
- 朝8時に起床して、正午までに20-30分くらいの朝日を浴びれば十分に効果がある
- 原因:日光のブルーライトで体内時計が調節されるため
- 60) Reid, K. J., Santostasi, G., Baron, K. G., Wilson, J., Kang, J., & Zee, P. C. (2014). Timing and intensity of light correlate with body weight in adults. PloS one, 9( 4), e 92251.
オーストラリアのウィーンで開催された欧州肥満会議で発表された統計61
- 太っている女性の傾向:より暗くて濃い色の洋服、多色、花柄、ドット模様のスカートやドレス、ストライプの洋服、タータン、紫色を好む
- 太ってる男性の傾向:黒色か白色、赤色のズボンを好む
- 痩せている女性の傾向:ワインレッド色を着こなしている、
- 61) Korolev, A., Denisova, E., Nikitenko, E., Kirpichenkova, E., & Fetisov, R. (2018). 25 th European Congress on Obesity, Vienna, Austria, May 23-26, 2018: Abstracts. Obesity
あとがき
カナダのウォータールー大学の研究62
- 調査:153人の女性を調べた
- 結果:自分への優しさを持っている女性は、体重に関係なく体重や体型、食事などに悩むことが少なかった
- 62) Kelly, A. C., Vimalakanthan, K., & Miller, K. E. (2014). Self-compassion moderates the relationship between body mass index and both eating disorder pathology and body image flexibility. Body image, 11( 4), 446-453.
ハーバード大学の研究63
- 「自分にはなにができるのだろう」と問いかけた方が、選択肢が広がって、より良い解決策を生み出せることがわかった
- 63) Zhang, T., Gino, F., & Margolis, J. D. (2014). Does” Could” Lead to Good? Toward a Theory of Moral Insight. Harvard Business School working paper series# 14-118.